国民主権が根拠

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平成29年7月24日発行vol457

斎藤吉久の誤解だらけの天皇皇室

国民主権が根拠

なぜ有識者に意見を求めるのか?7

私は運動家ではありませんが、日本の現状と行く末を心から憂い、御代替わり諸儀礼を国の行事にキャンペーンを、1人で始めました。このままでは悪しき先例がそのまま踏襲されるでしょう。改善への一歩を踏み出すために、同憂の士を求めます。

さて、以下、拙著検証女性宮家論議15代天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。

第3章伝統を拒絶する官僚たちの暴走

第1節なぜ有識者に意見を求めるのか?依命通牒の破棄

国民主権が根拠

すでに述べたように、国会図書館には、依命通牒が掲載された、昭和22年当時の宮内府関係法令集が所蔵されています。

また、現行の宮内庁関係法規集が平成19年11月1日現在版から平成24年11月1日現在版まで、計6冊、所蔵されていますが、これらには依命通牒は掲載されていません。

宮内庁に掲載されている関係法令も同様です

多くの人に気づかれることなく、どうやら宮内庁職員さえ知らないあいだに、いつの間にか、消えたのです。まるでミステリーです。

依命通牒に記された、基準とすべき従前の例が反故にされた以上、125代にわたる皇室の長い歴史と伝統に代わって、新たな基準がなければなりません。

根本的基準が憲法国民主権象徴天皇にあることは明らかです。

御代替わりにおいて、小泉内閣時代の皇室典範有識者会議において、そして女性宮家有識者ヒアリングにおいて、

象徴天皇制度のもとで

と繰り返し強調されているのは、その意味と理解されます。

そして政府は、皇室の伝統と憲法の趣旨とを対立的にとらえ、皇室の伝統行事のうち、伝統のままに行うことが現行憲法の趣旨に反すると考えるものは、国の行事ではなく皇室行事とされ、皇室の伝統が破られました平成大礼記宮内庁など。

小泉内閣皇室典範有識者会議では、伝統の尊重が基本的な視点のひとつに置かれましたが、あくまで戦後60年の15代象徴天皇制度の伝統というべきでした。報告書のはじめにには、

1さまざまな天皇観があるから、さまざまな観点で検討した

2世論の動向に合わせて検討した

と説明されていますが、皇室自身の天皇観、皇室にとっての継承制度という視点、天皇は祭り主であるという観点は、見当たりません。

国民の名において、政府の責任で何でもできる。むろん皇族方の意見を聞く必要もないというのがヒアリングの本質かも知れません。

実際、有識者会議は皇族方の意見に耳を傾けようとしないどころか、女系継承容認に憂慮の念を示された寛仁(ともひと)親王殿下に対して、吉川弘之座長元東大総長は

どうということはない

とうそぶき、皇族方を守るべき立場のはずの羽毛田長官は、

皇室の方は発言を控えていただくのが妥当

と口封じに及びました。

側近中の側近である羽毛田長官こそは皇室改革の急先鋒で、18年9月、国民が待望した悠仁ひさひと親王殿下のご誕生に、

皇位継承の安定は図れない

と水を差しました。16年7月の参院選マニフェスト女性天皇容認方針を掲載した民主党が21年8月の衆院選で圧勝し、政権を取ると、皇室典範改正に取り組むよう鳩山新内閣に要請する意向を表明し、秋波を送りました。

その鳩山内閣は同年暮れ、習近平中国副主席のゴリ押し特例天皇会見正確にはご引見を強行しました。日本の最高権威であり、それゆえ現実の権力政治から超然たる地位にあるべき天皇が、ポスト胡錦涛の権力闘争を展開していた習近平サイドに政治利用されることを、国際親善の名目で許したのです。

民主党政権下で進められる皇室制度改革こそ、歴史的天皇から逸脱する、現行憲法を起点とする天皇の名目化でしょう。

以上、斎藤吉久検証女性宮家論議iBooksから抜粋。一部に加筆修正があります

筆者のプロフィール

斎藤吉久さいとうよしひさ昭和31年、第32代崇峻天皇の后小手姫おてひめが里人に養蚕と機織りを教えたとの物語が伝えられる福島県小手郷おてごうに生まれる。子供のころ遊んだ女神川は姫の故事に由来する。弘前大学学習院大学を卒業後、総合情報誌編集記者、宗教専門紙編集長代行などを経て、現在はフリー。著書に天皇の祭りはなぜ簡略化されたかなど。過去の発表記事は斎藤吉久のブログで読める。戦後唯一の神道思想家葦津珍彦あしづうずひこの没後の門人といわれる

著書紹介

天皇の祈りはなぜ簡略化されたか宮中祭祀の危機斎藤吉久著

定価1700円税

天皇ご在位20年、ふたたび宮中祭祀の破壊が始まった!政教分離の名のもとに側近らが祭祀を破壊してきた知られざる歴史を検証しながら、たったお一人で祭祀を守ろうとされた昭和天皇と今上陛下のご心情に迫る。

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